多能性幹細胞の分化の空間制御技術

2015

概要

現在、多能性幹細胞の研究が世界中で行われている。多能性幹細胞は体中のどの細胞にも分化可能である「多分化能」と「無限増殖能」を有しているために、再生医療などへの応用が期待されている。先行研究では、いくつかの組織への分化誘導に成功しているが、それらの分化メカニズムは明らかではない。それは従来の培養器具では、詳細に分化過程を分析・評価することは不可能だからである。本研究では、接着培養されている多能性幹細胞(2次元)と、浮遊培養によって形成する胚様体といわれる球状の構造体(3次元)に対して、空間的に異なる分化因子を作用させることが可能なデバイスを開発し、実際に分化制御実験を行っている。現在までに、それぞれの培養フォーマットにおける培養デバイスを開発し、実際に実験を行ったところ、マウスiPS細胞に対して未分化/分化状態の誘導を空間制御できるまでに至っている。現在は、異なる胚葉由来の細胞の分化誘導を空間制御し、高次組織を作製する試みを行っている。

2次元/3次元培養されている多能性幹細胞に対する分化制御技術

共同研究

  • 国立成育医療研究センター研究所

研究予算

  • 科学技術振興機構